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 今年の元旦は九州の柳川水郷と山田堰を訪れ、アフガニスタンで非業の死を遂げた中村哲さんを偲んできました。

 哲さんは「100の診療所より1本の用水路を」と命懸けで取り組み、25.5キロのマルワリード用水路を完成させて広大な干ばつ地域を緑化、農地を生み出して60万余のアフガンの人たちの生活支援をしてきました。その工法も独特で、「現地人が長年自分達で管理できる水利プロジェクトでなければならない」と考えて最新式の機械に頼るのではなく、アフガン人に適するものを追求したそうです。

 そして行き着いたのが、地元福岡の柳川水郷と山田堰。そこに立ち、ここで使われた『信玄堤』に代表される戦国・江戸時代の工法を採用したのです。

 豊臣秀吉に関東に追いやられた徳川家康公は、湿地帯であった江戸を『利根川東遷事業』で見事に世界を代表する大都市に仕立て上げました。この事業で主に使われたのが信玄堤でした。総監督の伊奈忠次の指導の下、各地に普及したものです

 山田堰に立つとマルワリードが思い浮かび、感慨もひとしおでした。