新着情報

2022.03.31 (Thu)  11:08

東岡崎駅駅ビル

 様々なドラマを生んできた岡崎の玄関口・東岡崎駅。皆さんも色々な想い出がありますよね?

 その駅舎と店舗が入る駅ビルの老朽化が近年著しく、相次いで店舗が撤退、改築を要望する声が強くなっていました。

 昨年11月15日、岡崎市と名鉄は、東岡崎駅の整備に関する基本協定を締結したと発表しました。今後駅舎、南北自由通路、バス・ターミナル、駅ビルが一体的に整備されることになります。

 詳しい工程は発表されていませんが、2024年に駅ビル解体が始められ、2027年から新駅舎の建設開始の予定です。その後橋上駅舎は2028年、駅ビルは2029年の完成を目指すそうです。寂しさもありますが、〝岡崎の顔〟がどんな風に変わるかも楽しみです。

 是が非でも、「家康公の生誕地」だけでなく、「平和の聖地」であり「江戸のふるさと」といったこの町ならではの要素も加えていただきたいですね。

 

東岡崎駅 1.jpg

2022.03.27 (Sun)  22:08

映画『ベルファスト』

 親しくしていただいている映画評論家の井上健一氏が紹介する映画『Belfast』は、60年代後半から70年代にかけて凄まじいゲリラ戦が繰り広げられた北アイルランドが舞台の作品です。

 駆け出しのジャーナリストだったくにおみはその頃、ロンドンに住んでいました。北アイルランドにも何度か足を運び、カメラを何台も肩に掛けて恰好だけはカメラマン気取り。下手くそな写真を撮りまくっていたものです。まだ銃撃戦に慣れておらず、今思えばその腰は後ろに引けてへっぴり腰でした、おそらく。

 それでも、動きだけは良かったのでしょう。現場で出会った写真家集団『マグナム』のブルーノから、

「動きが良いね。立ち位置が面白い。写真を勉強したことがない?そんなの関係ない。パリにおいでよ。一緒にやってみないか?」

 と誘われました。一匹狼を気取る私はその誘いに乗る事はなく笑って聞き流しましたが、後になってすごい人に誘われたことが分かり、驚きと感動が体の奥底からじわじわと湧いてきたものです。彼の誘いに乗っていたら世界的なカメラマンになっていたかもしれませんね(笑)。

 

 ブルーノに会ったのは50年前の1972年2月。前の週に起きた「血の日曜日」(英軍空挺部隊がデモ隊に発砲、14人の死者を出した)に抗議する大規模なデモが北アイルランドの国境の町ニューリーで予定されており、その取材に現地入りした時でした。

 何軒かの民家に泊めていただき、アイルランドの庶民生活から見たフォトエッセイに取り組む視点もブルーノに高く評価されました。でも、結果は惜敗。フランスの写真誌『パリマッチ』などの英仏の雑誌に持ち込みましたが、いずれもいいところまでいったものの、私の写真や記事が陽の目を見ることはありませんでした。

 朝日新聞の轡田記者にもお会いしました。数時間ご一緒する内、現地の子供たちに囲まれてサイン攻めにあったのは懐かしい思い出です。子供たちは初めて目にするアジア人に興奮。次々に持っていたノートにサインを求めてきたのです。

 そんな楽しい出会いもありましたが、そこは紛争地。流血の事態には至りませんでしたが、北アイルランド、特にベルファストは重苦しい雰囲気の中に時折見せる緊張感がなんとも不気味で気の休まることはありません。

 

 ウクライナ情勢を見ていると、その規模の違いはあるものの共通点が多く、同じヨーロッパ独特のどんよりとした気候から受けるものもあるためか、「北アイルランド時代」が鮮明に思い出されます。そして心が痛みます。被写体になっていただいた方たちのその後の人生はどのようなものかと気になってもいます。

 そんな思いを吹っ切る、それとも想いに浸る?ためにこの映画を観ておきたいです。岡崎の映画館では観られないようなので名古屋まで行ってきましょう。

2022.03.26 (Sat)  08:29

ウクライナ情勢 漁夫の利

【ウクライナ情勢 漁夫の利】

 この言葉は、当事者が痛み・苦しみを伴った争いをしているすきに(一方で)第三者が儲けることを指しますが、この戦争で利益を得るのは中国、と見るのが一般的です。確かに政治的にも経済的にも中国が得るものは大きいはずです。しかも、なんら一言も発することなく、一ミリも動かないでも得られるわけですから西側諸国の愚かさが際立ちます。

 その他に大儲けをするのが復興業者です。戦争の規模が広がれば広がるほど、被害が甚大であればあるほど儲かるのが、戦後復興に携わる業者。彼らは今、「もっと激しくなれ。壊しまくれ」と戦況を見ていることでしょう。

 よく「戦争は兵器産業の為にある」と言われますが、実は巨額の富を得るのは復興業者なのです。

 私が現地取材した湾岸戦争(1991年)の〝後始末〟に天文学的な額のカネが使われたと言われています。クウエートだけで少なくとも1,000億ドル(約12兆円)かかりました。

 請求書のほとんどは被害国のクウエートに送られましたが、石油を掘り出せばいいだけの話ですから深刻な問題にはなりませんでした。実際に新たに備え付けられた最新式の機械によって産出された石油が穴埋めをしました。

 日本が〝領収書をもらえない〟135億ドル(当時の1兆7500億円)もの大金を多国籍軍に払わされましたが、これは復興資金とは別枠です。

 戦後復興に使われる正確な数字はなくあくまでも推測ですが、米国が関わる戦争の復興の仕事の9割はアメリカの会社が請け負うとされています。他の1割を英独仏の業者が分け合います。ある日本人外交官の話では日本の業者に落ちてくるのは「2階から目薬」程度だそうです。

 湾岸戦争で「正義の味方」を気取った米国ですが、一番恩恵を享受したのは、実はアメリカでした。

 それは米国の経済成長率から見ても明らかです。

 「4.18(1988年)→ 3.67(89年)→1.89(90年)→-0.11(91年)」と右肩下がりだったものが、湾岸戦争をはさんで一転、「3.52(92年)→2.75(93年)→4.03(94年)」と上昇に転じているのです。これはもちろん、復興事業から得た大金そのものではなく、これを契機にして経済が活気づいたことを指します。 

 今回のウクライナへのロシアの攻撃は限定的とはいえ、ロシア軍が撤退した後の復興にはインフラ再生を含めてやはり巨額の資金が必要となります。

 では、それをだれが負担するのか?

 もうお分かりですよね。今回はオイルマネーという〝打ち出の小づち〟は使えません。支援国が分担するしかないのです。

 だから、びっくりするような額の請求書が経済規模の大きい日本政府に送られてきます。もちろんそれを支払うのは納税者である私達です。

 こうして見ると、「何のための戦争か」「誰がやりたい戦争か」「得するのは/損するのはどの国か」「ウオーゲームに苦しむのはいつも民衆」などの戦争の実態が見えてきます。

 湾岸戦争でも今回の戦争でもその構図は通底しています。

 実は、おバカな独裁者が乗せられて切ってしまった火ぶたを見てほくそ笑む人たちがいるのです。

 

 勉強不足の専門家達の浅薄な分析を、メディアやネットから毎日シャワーのように〝浴びせられている〟皆さんの参考になればと思いこれを書きました。ご家族で、友達とこの機会に意見を共有していただければ幸いです。

丹羽勁子 3.jpg

 先般行なったクラウドファンディングを基にしてTシャツ制作を完了。

 YouTubeの撮影を来週から始めますが、撮影班が立てる旗印ができました。

 撮影現場でこの旗を見たらぜひお声がけください。飛び入り出演をお願いするかもしれません。

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