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ウクライナへの侵略と私
ロシア軍のウクライナへの侵略が始まって以来、私の胸の内は重い闇に包まれています。
私はこんな時、本来なら現場に入って皆さんに状況を伝える立場です。たまに「うずくでしょう?」と言われることがあります。でも、再び戦場に立つことはありません。
5歳にして「戦争を無くす仕事をする!」と決めたものの世界から戦争はなくならず、その気持ちは、基本的には74歳になった今も変わることはありません。4年前にパレスチナへ、2年前にフィリピンに旅して、「体力的にはまだまだできる」と自分に語り掛けるもう一人の自分がいました。 ただ、そうはいっても、同世代の中では格段に元気でも、体力は正直で寄る年波に勝てるはずもなく、ここ数年で〝それなりに〟年齢は意識するようになりました。
戦争取材に行かない理由は、高齢だけではありません。
実は、約20年前から私は軽度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)が原因で睡眠障害を患い、20年近くずっと睡眠導入剤を使用してきました。それを今年初めに脱すること、つまりは〝ヤクをやめる〟ことに成功したばかりなのです。と言っても、専門医に定期的にかかることなく(一度だけ知人の精神科医に自分の治療計画を話して「それが実行出来たら大したもの」とお墨付きをもらいました)自力で脱したものですから戦火に身を置けばPTSDの再発もあり得ます。
また、最愛の家族がいることも大きな理由です。青春を30年上の僕に賭けてくれた直子の夫として、また8歳の幼子の父親としての責任があります。
そんな私に今何ができるか?
その一つは、「徳川家康公の平和に対する深い想いを、世界中の人に知ってもらいたい」と考えて始めた〝人生最後の大事業〟を成功に導くことです。
もう一つは、身近な話ですが、息子に戦争の愚かさ、悲惨さを理解してもらうことです。朝から晩までTVニュースをみたり、新聞や本を読む私の横に座って質問攻めをしたりする息子は、現時点では恐らくウクライナ情勢に最も詳しい小学二年生のひとりでしょう。映像や画像に映し出される破壊や悲痛な叫び、涙は彼の心に確実に届いています。
現段階では、戦国武将にハマっていますから今朝もニュースを見終わった直後に『黒井城の戦い(明智光秀らが丹波国征討を目的に行った、赤井氏の堅城黒井城への攻城戦)』のYouTubeを楽しそうに観ていました。それはそれで自由にさせてやり、心のスキに「平和」を〝注入〟するのが私の作戦です。
皆さんも、こういった機会です。あまり難しく考える必要はありませんが、それぞれの観点から「戦争と平和」を考えてみてください。