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Ieyasuにほれた英国人
2019年秋。
私達夫婦が岡崎市で経営する「グローバル・スタディーズ・カフェ」の前にひとりの外国人が姿を見せました。
大柄な体を折るようにして中を覗き込んでいるのを見て、カフェ営業時間は終わっていましたが、私はドアを開けて彼を中に招じ入れました。
店内を見回した後、彼は「このカフェはどんなポリシーでやっているのか?」と聞いてきました。
「徳川平和を世界に伝えたい」との設立理念を説明しました。
そうすると彼は、
「僕はこういう場所を探していたんですよ」
と言うので、
「まあまあ、お座りなさい。珈琲を飲みながら話を聞きましょう」
と着席を促し、彼の話を聞きました。
英国人の彼は、岡崎市にある国立研究所『自然科学研究機構』の研究者で、子どもの頃に両親から「世界の歴史」の本をプレゼントされたのがきっかけでIeyasu Tokugawaに興味を持ったと言います。「Ieyasuの生まれ故郷で基礎生物学を研究したい」と応募して合格。喜び勇んで来日。研究所を管轄する文部科学省に行くと、そこで衝撃を受けます。
文科省の役人から「岡崎ってどこ?」と聞かれたと言うのです。
そう。私の経験からも言えることですが、岡崎の知名度は低く、「名古屋なんですね?」「京都ですか?」とよく言われたものです。
そして岡崎に来てから「岡崎で出会う人たちの多くがIeyasuの名前を知っていても、それ以上は知らない事実」に驚きます。
会話は盛り上がり、『大樹寺松平八大墓所』で清掃・供花活動をやっていると私から聞くと、「普段は土日も関係なく働いているので毎週は参加できないが、明日は大丈夫。参加していいですか?」と言ってくれました。
そして翌日。「若き家康がここで自害しようとしたけど、住職に思いとどまるよう言われて『厭離穢土欣求浄土』と言う言葉を授かり〝覚醒〟したんですよ」とその現場で説明すると、とても喜んでもらえたのです。
それからしばらくしてコロナ禍もあったのでしょう。帰国したようですが、その後は間違いなく世界のどこかで〝伝道師〟としてパクス・トクガワーナ(徳川による平和)を普及してくれているはずです。
家康公検定と深田正義さん
「家康公検定」という試験があります。徳川家康公及びその時代の歴史についての知識をはかるものです。2010年より毎年行われ、2016年でいったんは終了しましたが、再開を望む声が多く、2018年に新たに組織化されて復活しました。
これを発案したのが深田正義さんです。深田さんは、岡崎を代表する「徳川平和の伝道者」。私たち夫婦と息子を家康公の世界に導いてくださった方です。
こう書くと何か宗教者のイメージですが、そうではなく深田さんは早くに家康公の理念と偉業に〝出会われて〟、ご自分が社長や会長を務められた酒造会社経営や理事長だった青年会議所の活動を通して、また会社の敷地内に造った長譽館で開く『おかざき塾』という集まりを通して、徳川平和からの学びを伝えてきたのです。
そのひとつがこの家康公検定です。皆さんもぜひ一度、いや一度と言わずに何度も挑戦してみましょう。
深田さんは多くの本を上梓(出版)されていますが、近著に『徳川家康』があります。山岡荘八著の同名の本が26巻と大作なため、手を出しづらい方たちにとっては素晴らしいガイドブックになります。ただし、自費出版ですので書店ではお求めになれません。ご希望の方は私までご連絡ください。
ちなみに、タケチヨは深田さんを、今川義元の軍師であり、竹千代の師であった「太原雪斎(たいげんせっさい)」と呼んでいます。
1月30日の松平八代墓所
コロナ感染拡大を受けて墓所の供花・清掃活動は休止しているので、1月30日(日)は家族で簡単な掃除と供花だけをしました。
タケチヨはリヤカーを引いてここに着くと、前日買ってもらった『織田信長』と『豊臣秀吉』が気になって仕方がない様子。「本、読んでていい?」と聞いてきます。ここに喜んで来てくれるだけでそれ以上を求めていない我々夫婦は当然「いいよお」と答えます。
石段の上に座って寒くなると時折り、辺りを走り回ってきて、小一時間読んでいました。信長と秀吉、それぞれの本は既に他の本を数冊読んでいますが、違った角度から書かれたものが楽しいらしく、一日、他の行動を交えてずっとハマった状態でした。
毎日「武将ゴッコ」に付き合わされていますが、明日はおそらく私は信長を演じることを求められ、自分は森小介になりきるでしょうね。